戦国御伽絵巻ヒデヨシ 観劇メモ
心が熱くなる、大好きな作品です。本当におつかれ様でございました。すてきな御伽絵巻の世界をありがとうございました。
備忘録として書きます。感想と、お話のメモです。
箇条書きでつらつらと、ネタバレしかありません(ごめんなさい)
時系列でもなく、ごちゃまぜです。
色々こねくりまわして考えるのが好きなので、好き勝手な解釈ばかりです。歴史についても、大昔中二病で一瞬聞きかじっただけの知識です、申し訳ございません…
書き直したり書き加えたりごちょごちょやっています。
色々なまちがいはどうかご容赦くださいませm(_ _)m
サントラを…ください……
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【戦国御伽絵巻『ヒデヨシ』】
秀吉、光秀、半兵衛、シャチ、家康、ウツボ、登場人物一人ひとりの人生や考え方、思惑、さまざまな関係性が味わえるお話でした。
表情ひとつ、呼吸ひとつが、繊細にお話を作り上げていました。ことばとことばの間、沈黙の意味、顔色の変化、細かな点をすべて追って考えたくなる舞台でした。
木下秀吉
- 人情味あふれる優しさ大らかさ、どこかを 誰かをじっと見つめているときの目の澄んでいること
- 子供やお年寄りにも優しくあたたかい、従いていきたくなるお人柄
- 半兵衛との仲良し加減が日に日に上がっていっているようにお見受けしました
- 大親友との話も気になります
- 人を殺したくないという信念でいるけれど、半兵衛が自分を逃がすために実質自害し、シャチを目の前で失い、信長(家康)にも騙され、なくしたものがとても多いお方
- けれど、それらを経てもやっぱり人を死なせたくないという信念はお変わりない
- 「人の命なんだと思ってんだ!!」と光秀に掴みかかるシーン、たまりません
- 半兵衛亡き後は、どうしたら現状がよくなるかを自分で必死に考えてる様子で、お一人になった時どうなさるおつもりですか ということばに応えているようにも見える
- 光秀と力を合わせたかったけれど相容れないものがある、人の生き様だから説得しきれない部分の遣り切れなさも味わっている
- 戦乱の世を続けたくない、自分で天下を取るしか道がなくなったとき、光秀を討ちに向かうときの 覚悟を決めたような、すこし諦めきれないような、つらそうな表情
- 敵を蹴散らすために、不思議な力を見せつけるように手を広げたら敵が怯んで、それを見てあわわわ と一瞬動揺しているかわいい秀吉様
- 戦に生き、自分の居場所は戦の中にしか見出せないお方
- 信じたものに裏切られ続けている、不遇の人
- 秀吉に、手を取り合おうと言われて応とも否とも答えられない場面、どんな思いでいるのでしょう
- 秀吉がピンチの時に現れて助ける、光秀がピンチの時は秀吉が現れる
- 光秀が黒顕に殺されそうになったとき、秀吉が不思議な力を見せつけるように現れたときの光秀の口元が笑っている
- 人を死なせたくないのは綺麗事だし到底無理なことは分かっている、けれど秀吉のことを嫌いになりきれない、その上で相容れないことも承知している
- 殺陣のうつくしさ、オープニングで音楽のとぎれるのに合わせて刀をおさめる格好良さ、黒顕を後ろから刺し殺すときの刀を握りしめ直す手の優雅さ、刀を振るう動きが停止したとき髪紐がふわりと遅れて揺れる可憐さ
- 若かりし頃の声や演技が現在の光秀と本当に違う……慕っていたのに と、城など欲しくない と小さく叫ぶときのつらそうな表情、目のうるみ、そこから現在の光秀に変わり、表情ががらりと変化する
- 秀吉と訣別したあとの黒手袋が泣ける
- 流星群を仲間の鼓舞に使うと秀吉に話した光秀が、秀吉はそれを忘れているわけがないと思った上での行動だとしたら、この後秀吉と対峙することも頭にあるだろうし、全力でぶつかるだろう反面、戦乱の世でしか生きられない自分を秀吉にどうしてほしかったのか
- カーテンコールでの御辞儀、次の番の秀吉を呼ぶときの手の挙げ方や指先が最後まで光秀
- 不器用でかわいらしくて、生き様がかなしくて、大力さんも仰っていたけれど、愛される光秀公
- 秀吉に仕え、主を立て真面目で優しい半兵衛さん
- 常に何かを思い、憂いているような表情
- 月よりうごめく星に目がいく、物事の何手先も読んでいるんだろうと想像できる
- 直垂のひらめく様がうるわしい
- カーテンコールのあと、伏し目がちのまま移動して見得をするときの目に光が反射するうつくしさ
- 何かを決意したときの表情の変化がつらい
- もし半兵衛がいなくなったとき秀吉がどう行動するのかということや、無理だと理想を諦めてしまう秀吉に対する思いもあったのか
- 半兵衛の言動が「私がいないとだめ」なのか「私がいてはだめ」なのか、秀吉にとっての半兵衛の立ち位置がどちらともとれる
- 自分の先が長くないのを知っていたのか、最期の仕事をするといって自らの首を切る半兵衛、諦念をもった秀吉の目を覚ますことになったであろう衝撃的な行動でした
- 事切れるときに朦朧と宙を彷徨う視線、意識をはっきりもちながら命が尽きるようなときもあった
- 法螺が露呈してしまうから、名前を叫ぶことも駆け寄ることもできない秀吉の表情が壮絶につらい
- 一見無謀とも思える、文字通り命を賭けた作戦だけど、秀吉が危険な局面で半兵衛の吹いた法螺が効いている
- 自分が天下を取ると決めた秀吉を見て、儚く優しく微笑む半兵衛
- 秀吉と光秀が袂を分かつことも予測していたんだろうか
- もっと秀吉の右腕として仕えて、秀吉のつくる天下を見てみたかったんだろうなと思って泣けました
- 秀吉と光秀と半兵衛が、それぞれの得意なところを発揮して国を治めていく未来が見てみたかったと思えるのも、御伽絵巻ならでは
シャチ
- 純粋で、村が襲われた日から時が止まって心が死んでしまったような印象を受けるシャチ
- 重力に任せて下に降りてくるときの手練れたる雰囲気
- 黒顕に剣術を教わりながら、ウツボと暮らしてきた日々を思うとただただ泣ける
- 殺すことは良いことだと素直に思っていて、苦しいなら楽にしてあげると悪気なく口にする
- 秀吉や光秀、半兵衛のやりとりや話や思いを見聞きして、心を取り戻していった
- 笑わないシャチを笑わそうとする秀吉、光秀の場面があったからこそ、シャチは光秀を斬りつけこそすれトドメをさせなかった
- 秀吉の語る言葉に耳を傾けていたからこそ、守りたいものを判断できるようになった
- 殺陣の鮮やかさ、殺し方を叩き込まれているような刀の使い方
- ウツボを亡くした直後、自分の意志で秀吉を守り、また亡くなった
- 今までは命令で動いていたシャチに、ウツボや秀吉たちの思いが宿っていることがわかって泣けた
- 最期まで真っ直ぐで純真無垢な、そしてきっと熱い心を持っている人だった
- あたたかく包容力のあるお声、おだやかな笑顔、力強く優しい言葉
- なんてすてきな家康公なんだろうと思いながら、ただただ秀吉たちとのやりとりをたのしくほっこりしながら観ていた
- 最後の最後の手前まで、とても頼れる仲間という印象だった
- 秀吉のことを守り、半兵衛の心にも寄り添い、光秀ともバスケする仲になり、秀吉とはまた異なる人望の厚さ
- 光秀が、家康は嘘をつくのが下手だというようなことを言うシーン、2度目観たときぞっとした
- 知略を誰よりも巡らせていたのはこの人だった、半兵衛はどこまで察知していたんだろうか
- 顕如との最後のシーンは鳥肌もの、主人公サイドの目線でお話を観ていたので純粋に怖いし悲しいし、つらい
- 2回以上観た方は、劇中の家康の一挙手一投足が気になって仕方なくなると思う
- 観劇が終わってから史実を思い出して、そうでしたね……となるお方
- シャチ、と声をかけるときの優しく微笑む顔と、敵対していたときの秀吉たちを見るときの顔が全然違う
- ウツボが影の主人公、とても言い得て妙だと思いました
- 秀吉が信じている信長の部下が、ウツボたちの村をひどい形で襲ってしまった
- 苦しみがずっと続くなら、信長が天下を取るくらいなら、死んだほうがマシだと言い切る背景を想像すると泣けてくる
- 笑わなくなった弟の面倒を見て助け合いながら、処世術を学んできたのが悲しい
- 秀吉に心揺さぶられて、死んだほうがマシだと言っていた世を自分の意志で生き抜いた
- 兄が弟を思う気持ち、兄弟の絆をひたひたに、痛いくらいに感じた
- ウツボとシャチの兄弟は、信長のつくる戦乱の世に翻弄された結果だけど、最期に自分の意志で動いたところが本当に格好良かった
- 義昭公のおちゃめな雰囲気が、途中がらりと変化するのがすごい
- 扇子を使い、光秀に風が吹いてきたな、と笑顔になるところがとてもすてき
- 汚点となる、のときも扇子でちょんとする仕草が、台詞は恐ろしいし腹立たしいのに何だか憎めなくて、でも将軍としての地位があるのに実権を握れていないもどかしさや焦りも感じた
- 茶器をパスされてあたふたしているときのわちゃわちゃ感が可愛らしかった
- 顕如の、言ってることは真っ当かもしれないけどやってることのえげつなさがとても人間味溢れていた
- なよやかな立ち振る舞いと美しい笑顔、寛容なところが逆に怖い
- 流星群に怯える姿、黒顕に縋りつくのが幼く可愛く見えつつ、黒顕をも踏み台にして策を進めていく強かな人
- 家康との会話に鳥肌が立った
- 黒顕の、一段格が違うオーラがものすごく怖い、ラスボスだと思っていた
- 殺陣にも余裕がみられるし、誰も勝てなさそうな黒顕を、秀吉、光秀、シャチで倒したのが泣ける
- 腰布のひらひらがとてもとても格好良かった
- 三猿さんそれぞれの性格も違うし、開演前に客席を歩いて物語へスムーズに接続してくださった
- 動きのキレやなめらかさが観ていてたまらなかった
- シリアスな展開の中、かわいい三猿さんが清涼剤となって癒してくださった
- 途中で色々な役も務められていて、お猿以外にもたくさん演じられていてそれも楽しかった
- 立ち回りの方々が、殺陣でたくさん斬られていくのが、斬られ方が綺麗でリアルで目を奪われた
- 光安などの重要な役や台詞もたくさんあって、でも役に入り込んでいてすごい
- 音楽がとてもとてもたまらない
- オープニングの曲を聴くだけで今は涙が出る
- とても、フルオーケストラ演奏で聴いてみたい
- スコアがほしいです、演奏したくなる格好良さ
- しっとり落ち着いた曲で登場人物が姿を表すところも、切なくて泣いてしまいます
- 戦いのシーンの太鼓の一定のリズムや、家康が光秀のところに出向いたシーンの弦の音などなど、全部格好良い曲
- 本当に本当に本当にサントラがほしいです
- 衣装も本当に素敵
- 光秀の髪紐と花の紋の入った胸当て?、半兵衛の布地の多い直垂と肩当てのような銀色の布、家康のどっしりした陣羽織などなど、特徴がひと目で分かるし人柄も反映された素敵なお衣装
- どれも殺陣で映えるし人物の人柄が現れた衣装
- 色も鮮やかでほんとに綺麗
- 鳥獣戯画風の絵が、それぞれのモチーフとなる動物がとても可愛らしかったです
- 繰り返し観劇するほどに、どんどん味わい深くなる、飽きるどころかもっともっとじっくり観たいと強く思う舞台でした
- もし、こんな秀吉だったら、光秀だったら と考えて、とても楽しくなる御伽絵巻
- 役者さん方も手練れ揃いで、お一方ずつお話の頭から追って観ていきたいです
- サントラが出ますように
- お話自体ももっと読み込みたいというか、台本にどのように、どこまで書かれているのだろうというのも気になるし(役者さん方がそれぞれお考えになった表現とト書きとが気になります)、このヒデヨシのお話を小説で読みたいです
- マイクを通していない、肉声でお芝居が観られるのも、とても贅沢でした。鼓膜に音が響くたびに浄化されるようでした
登場人物の言葉を反芻したり、史実を勉強し直したり、いろいろと考えながら DVDを楽しみに待ちたいと思います。
五人の勇ましくうつくしい立ち姿、生き様は、忘れられません。