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キ上の空論#9『みどり色の水泡にキス』感想メモ


 
 
オフィス上の空プロデュース
   キ上の空論#9
みどり色の水泡にキス』の感想です。


いろんな誤り等どうかご容赦ください…
自分でも何が言いたいのやらという感じで……申し訳ございません。
メモ

頻繁に加除訂正いたします。語彙ゼロ支離滅裂です

長いです。






 


 

マコトとミドリ
  • どのミドリちゃんも愛らしくて、それを見るマコトも愛すべき存在で、なのに見ていると涙がでます。
  • タイトルの言葉あそびが冒頭にでてきて、『水泡に帰す』という印象が強く残りました。
  • 妹のミドリちゃんは兄であるマコトをどう『好き』だったんでしょうか。ばらとかみなりはマコトだけじゃなかったのかもしれないと、何度か見終わったときに思いました。
  • 加えて、お母さんのミドリちゃんが言っていた『好きだった記憶』は、どのミドリちゃんからの記憶なのかなと……妹のころからだったら、とも思って頭がぐるぐるします。
  • マコトがもともともっている性質もあったのかもしれませんが、妹を人知れず殺すという行動をとるような感覚をもっている子だったんだなと思いました。
  • 血がつながってるから未来がない、だから一度肉体が死ねば輪廻によって結ばれることができるようになる と思って殺人を犯すのが(そのときは殺人という感覚じゃなかったかもしれません)人道的なものをはずして見ると思考と行動がまっすぐすぎて……もちろんたいへんな罪ですが、MinorSwingの流れる中、ミドリちゃんを抱えるマコトの目が澄んでいて鳥肌が立ちました。
  • ミドリちゃんと同じく4分20秒息を止めていたマコトも、ある意味一度一緒に死んだのかなと思いました。
  • マコトにとって『死ぬ』とか『生きている』という概念がどういう形で理解されているものなのか、考えるのがこわくておもしろいです。
  • ミドリ先生と会えたことが泣くほどうれしいマコトにも最初無意識に恐怖を覚えたのですが、輪廻で再会するために殺したんだから当然か……と思って、胃にへんなものが溜まるような感じになりました。
  • ミドリ先生と風鈴の話をしながら声を上げてたのしそうに笑うマコトがとてもかわいくて、でもここからが本当の地獄のはじまり(と言ったら変かもですが)だと思いました。
  • ミドリ先生と出会って、今度こそ『ミドリ』と結ばれることができると思っていたのにまた失ってしまったとき、妹のミドリちゃんも最初から失われる運命にあった(マコトによるのか(妹)、事故によるのか(先生)のちがい)のかもしれないと思ったりもしました。
  • アリワラや上杉君がミドリ先生にもミドリちゃん(23)にも出会っていることを考えると、名前は偶然だとしても、顔の造作が似ているというよりはやっぱりたましいが同じだからマコトからみてミドリちゃんだとわかったという感じかなと思います。
  • 同い年のミドリちゃんに異常なまでに過保護かつ性急に接しているマコトを見て、最初に命を奪ったのはマコトなのにな……と胃がまたへんになりかけましたが、『離れててもいいから生きていてほしい』という思いを経て、そして終盤の独白でマコトがぜんぶを理解し続けていたことがわかって呻きながら頭を抱えそうになりました。
  • もし妹のミドリちゃんを殺さなかったらどうなっていったんだろうとか、やっぱりそれでもミドリちゃんは別の何らかの理由で失われることになったのかなとか、胃のへんなのもそういうことを頭のはしで考えながら観ていたからだとあとで気づきました。
  • ミドリちゃんのたましいが入った体は輪廻に耐えられなくて、ほとんどがすぐに失われてしまうのがマコトの誤算というか妹を殺したときは思ってもみなかったことだろうなと思います。ミドリ先生と出会った以降、再会するごとにものすごい不安と恐怖が膨れあがっていっただろうなと、それを繰り返していく中でマコトのなにかもだんだんと耐えられなくなっていったのかなと思いました。
  • お母さんとして現れたミドリちゃんが、程度や範囲はわからないのですが過去のミドリちゃんとしての記憶をもっていたことが衝撃でした。つらすぎる……。笑顔でマコトを抱きしめているときのミドリちゃんと、ぐしゃぐしゃになって抱きつくマコトの気持ちを考えると、感情が焼ききれそうになります。またきっと失うんだろう死ぬんだろうと思いながらそうしていたのかなと思ったりもして、今置かれているふたりの状況やとりまく人たちのことが思考から抜けてとにかく今のこの一瞬が続くといいのにと思ってしまいました。
  • 最後に幼いミドリちゃんを見つけた場面で、お母さんのミドリちゃん(や、双子ちゃん)もやっぱり失われてしまったんだなと思った瞬間心が折れました。車いすのミドリちゃんはどこまで記憶をもっていたんでしょうか。
  • お兄ちゃん!と笑顔で駆け寄って抱きついて、ハッピーウェディングの写真を撮ったのは、マコトがみた夢だったんでしょうか。妹を殺した罪と、それに対する今までの罰がぜんぶ題名の水泡みたいに消えていくような感じがしました。
  • 車いすのミドリちゃんは何年もその体で生きることができていました。マコトがもう何もかもよくわからない状態になっていても、あの本のように、光だと感じたのかもしれません。
  • マコトはあのあと、ちがう体にたましいが入ることもあるのかなと、ミドリちゃんがマコトと出会っていくこともあるのかなと思いました。そしてつぎの回を観て、またふたりが輪廻していくように感じて頭がくらくらしました。終わらない輪廻はマコトにとってはしんどいものかもしれないけど、ずっと終わってほしくない、ふたりに何度でも出会ってほしいと思ってしまいます。


 

マコトと友人たち
  • 幼いころもいろんな友達や山岸ちゃんやハルちゃんがいる中で、マコトはふつうの子どもとして生活していたんだと思います。でも山岸ちゃんが「変わってる」と言っていたので、なんとなくどこかちょっと『ふつう』とはちがっていたのかもしれません。
  • 妹が好きと言ってきたマコトの話をちゃんと聞くハルちゃんが、それ故に 妹はない、不可能で、血が繋がっているから未来がない、と言ったことがマコトの行動のきっかけになったということが、のちに血の繋がりはないとわかったときのハルちゃんの感情に覆いかぶさるようにのしかかってきたのがつらすぎました。
  • じじい復活はない、死んだもんは死んだ それだけや と言った部分はマコトはそう思わず輪廻を信じていましたが、あのときああ言わなければどうなっていたんだろう、とここでも思いました。
  • 妹とはない、輪廻もないと言っていたハルちゃんのことを考えると、妹とは未来がないなら自分の手で輪廻をすすめてしまおうというマコトの行動に身震いします。
  • マコトにとってのハルちゃんは必要不可欠な存在で、はじまる理由の人だと思います。
  • 山岸ちゃんはお話を明るくしてくれて、マコトが東京に行くきっかけになっていました。
  • 子どものころの恋敵のハルちゃんがマコトと結婚して、そこに一緒に住んでいるのが、とても人の良さを感じてかわいかったです。お話の最後までハルちゃんやマー子ちゃん、お母さんと一緒にいて、心癒されました。ほっと安らぐ場所なのに、マコトはそこにはいられなかったんだなと思いました。
  • アリワラと上杉君の存在もとても大きかったです。
  • アリワラにも 先生と生徒はなしや!とミドリ先生に出会う前から言われているあたり、友人たちの価値観と自分はちがっているということも無意識にマコトの負担(?)になっているのかなとも思いました。
  • よく『意識がとぶ』マコトの親友をしているアリワラの懐の広さというか、動揺して泣いてるマコトにハンカチを渡そうと鞄を開けようとわたわたしている優しさというか、友達を応援している姿があたたかかったです。
  • 上杉君もおもしろくて、さり気ない気遣いとか優しさが垣間見える瞬間があって、のちにユミさんに3バカと言われてましたが、最高に好きです。
  • 幼馴染とはいえ、友達の友達に付き合ったり車を貸したりするユミさんが好きです。ミドリちゃんを助けにくるところがかっこよすぎて惚れます。
  • 妹が好きだったことを話していたかはわかりませんが、ミドリ先生、同い年のミドリちゃんを失ったマコトを支えている3人の心情も追いたくなります。
  • マコトをずっと見守っている存在の3人が、歳を重ねるにつれてだんだん疎遠になっていったのかなと思うと、さびしく心細くなりました。「次はいつ会えるやろなぁ」「おれら?」「そうそう」『なんで……いつでも……』のマコトで泣きそうになります。マコトを見守りつつも、家庭をもったりしていって守るものが変わっていったんだろうと、それは自然なことなんですが、だれも理解できないところにひとりでいるマコトを思うといろいろつらくなってきます。


 

マリちゃんとレイちゃん
  • マコトの話でありミドリちゃんの話であり、マリレイちゃんの話でもあり、個人的にこのふたりに心を撃ち抜かれていました。
  • このふたりの話でもあるということはハルちゃんの話でもあるよな……と思いつつ、レイちゃんが複雑に絡み合っていてだれの話でもある群像劇だというようなことを言っていたのを思い出して、たくさんの人物の絡んださきの、というか元の部分にマリレイちゃんがいるような気がしました。
  • 登場人物たちを最初からずっと見ていて、笑ったり悲しんだりしているのがよくわかって、とてもとてもかわいくて、いったいこのふたりの正体はどんな存在なんだろうと思っていたのですが、紅葉君と蒼葉ちゃんがでてきたあたりでそわっとして、ハルちゃんが一緒にどこか行こうと話したあたりで泣けてきました。
  • 恨んどるわけでも憎んどるわけでもないでね、のレイちゃんの声が優しいのが余計に涙腺にきました。ほんとうは生まれたかったんだろうなと、ハルちゃんにもマコトにも会いたかったんだろうなと思いました。ハルちゃんがマコトの子どもの母になることを拒絶してしまったというのが、ずっと真ん前に立てていないと気づいていたからだと思ったし、マコトがだんだん傍目にもおかしくなっていったのと一緒にハルちゃんの心もだんだんおかしくなっていってしまったんだなと思いました。
  • ふたりが去っていってしまってからの舞台上が、なにかだいじなものがなくなってしまった感じがして、とてもつらかったです。

 




 

マコト(町田さん)
  • ミドリちゃんの台詞にもありましたが、目がうつくしいから余計こわいというのがまさにそうでした。
  • ひとりだけまっ黒の服で、それがこの話のマコトという人をあらわしている気がしました。
  • 殺したあとも淡々とまくらをぽいと投げて平然としていたように見えたり、お葬式でも泣かずに清々しい顔をしていたというのにもなるほどと思いました。じいちゃんの死と、お母さんの輪廻の話と、血縁とは結ばれないということから妹を殺すわけですが、輪廻があるなら体だけ殺したことになるというか、今の兄妹という関係からミドリちゃんのたましいを外すための行為だったのかと思いました。
  • それが再会しても死んでしまうという状況になり、もともとおとなしい子だったとは思いますがだんだん鬱々と思い詰めていくさまが、町田さんの純粋で透明な表現でいたいほどわかって胃が絞られるような感覚になりました。泣いたり叫んだりするもの人目を憚らない状態がむしろすてきでした。
  • 自分で命を絶とうとしてできず、死ぬことすらできなくなっているのも印象深かったです。
  • 協力してくれる友人や心配してくれる同僚のことも思考から抜けていって、ミドリちゃんという一人の人にとらわれ続けているのが、なんなら本当はミドリちゃんのそばを1秒たりとも離れたくないくらいだろうなと思うほどつらい状況だと思うのですがそういうわけにもいかず、マコトのなかでいろいろ考えてどうしようもなくなっていくのが、そしてそのことでどんどんこわれていくのが、言い方が変かもしれませんが最高でした。
  • 見つけて「しまって」という台詞で、もうミドリちゃんと出会うことよりミドリちゃんに生きていてほしいというか、死んでほしくないというのがわかって、死んでしまうなら出会いたくないと思っているのかもしれないところ、どうあっても見つけてしまうのがかなしすぎました。
  • 町田さんのまっすぐなお芝居を、2時間10分じっくり味わうことができました。マコトとして存在している姿に、とにかく、とにかく圧倒されました。



 

ミドリ(新垣さん)
  • いろいろな『ミドリちゃん』を演じられていてそれぞれのちがいもすばらしく、そしてどのミドリちゃんもかわいくて、優しい笑顔に元気をもらいました。
  • 記憶がなくてもマコトの近くにあらわれて、わずかだとしても時間を共有しているので、ミドリちゃんにとってのマコトも生きているなかに組み込まれている気がしました。
  • ミドリ先生とマコトのほのぼのしたやりとりがとても好きです。本が読めないマコトがブックオフで働くようになったのもミドリ先生の本がきっかけだと思いましたし、めんどうな生徒にもおだやかにたのしく接しているので、そしてマコトもまだいろいろ知らずしあわせそうなので、癒しの時間でした。
  • 同い年のミドリちゃんは懐が広いというか、重い彼氏(1週間)のマコトにもうまく向き合っていて、ちょうどよく優しい感じがしました。指輪をほしいと言った次の日にああなってしまうのがかなしすぎて、マコトはあの電話のあととってもうれしかっただろうし、翌日の事故が観ていてもトラウマレベルでした。
  • お母さんのミドリちゃんの記憶が何度も書いてしまいますが衝撃で、「残念ですね、タイミングが……」と笑いかける姿に涙がでました。よしよしとマコトの頭をなでる仕草や声があたたかくて、マコトはたぶん言い尽くせないくらいのしあわせと絶望を味わっていたと思います。
  • 妹のミドリちゃんが大きくなっていたらこんな人になっていたのかなと、最後のミドリちゃんを見て思いました。さいぐーじゃんぽい、のミドリちゃんの姿を思い出していたマコトは、妹のミドリちゃんに会いたいのかもしれないと思ったとき、最後のミドリちゃんとは意識をもって会うことができないのがなんとも言えなかったです。「すこしだけ、泣いた」のときの表情が忘れられません。


 

ハルちゃん(片山さん)
  • ちょっと男勝りなところもあるような女の子で、でもものすごく繊細な子なんだろうと思いました。
  • 『ふつう』に考えたらマコトの言っていることは『ふつう』ではない部分が多いのに、幼くてもそれをしっかりと聞いて受け止めて、自分の考えを伝えているのが印象的でした。だからこそそのことばがいろんなきっかけになっていて、年月を経てからの場面でそれを思い返すと本当にしんどかったです。
  • マリレイちゃんを身ごもっても産み育てることができなかったのが一瞬意外で、ハルちゃんならもしかしたら自分一人で(もしくはマリアさんたちの協力もあるかもしれませんが)育てていくのかなと思ったのですが、体が拒絶してしまったというのを知って、マコトの影響がかなり大きかったことと、ハルちゃんの繊細さがまたそこでも感じられて泣いてしまいました。
  • ハルちゃんがいなければこの物語はこういうふうにならなかったろうなと思います。反面、マリレイちゃんのお母さんになったハルちゃんも見てみたかったと思わずにいられませんでした。そうならないからこそ、この『みどり色』というお話なんだと思いました。
  • 片山さんの深みのあるお声がとても耳に心地よかったです。自転車のシーンと、終盤のマコトへのことばの場面が心に残っています。マリレイちゃんが流れてしまったのをマー子ちゃんたちに伝えるときと、血の繋がりはないと知ったときの笑い方がたまりませんでした。


 

アリワラ(藤原さん)
  • アリワラのように明るいタイプがマコトのような子と仲が良いのが最初はちょっと意外でした。どういう経緯で親友になったのかはわかりませんが、自分と反対のタイプだからこそなのかなとも思いました。加えてマコトがどこかやっぱり人をひきつける部分があるからなのかもしれません。その後上杉君とも親友になっていってるのをみて、タイプ云々でなく、友達っていいもんだなとしみじみしました。
  • 台詞をぱぱぱっとおもしろいリズムで次々と声にしていくのが聴いていてたのしかったです。にぎやかなんですが、ただにぎやかなだけでない理由がたまらない人物でした。
  • マコトを『よく意識がトぶ子』というのをしっかり把握しているので、マコトの性格について理解があるのだなと思いました。泣いているマコトにハンカチを渡そうとしていたり、上杉君を巻き込んでミドリ先生とマコトのことを見守っているのがほほえましかったです。面倒見の良さがあるというか、根が優しい子なんだと思います。
  • ミドリ先生が亡くなったことを知らせるときの声色にもアリワラの性格が出ていてしんどかったです。目の前で親友が大事な人を失うのを見たから、同い年のミドリちゃんを見張ったりのいろいろも力になりたいと思ったのかもしれません。
  • マコトを合コン的なものに連れ出して、たのしめやて!とおしりをぽんとたたいて、マー子ちゃんをお持ち帰りしたのに解散して、この場面にアリワラのいろんな気持ちがみえてとても好きです。
  • ずっと見守ってきたマコトが東京に住むと言ったときのアリワラの、驚きとさびしそうなのとめちゃくちゃうれしそうなのとで、あんなにおもしろい動きなのに目頭が熱くなりました。
  • 「はいはいもっとぎゅっとぎゅーっと!とおいとおい!はいはいはーい!」が出てくるごとに泣ける台詞になっていきました。さいごのハッピーウェディングが最高にしあわせそうでした。
  • ユミさんとくっついたのかそうでないのかとか、上杉君とは連絡取ってるのかなとか、いろんな想像をしつつ、次はいつ会えるかなと話していた3人を思い出すとまた泣けてきます。親友を大切に思っているのは変わらずとも、仕事や家庭に重きをおくようになっていくのは当然のことで、マコトとだんだん連絡を取る間隔が開いていったんだろうなと思うと、昔の場面を思い返してただただ涙が出ました。
  • 藤原さんは登場人物同士の関係性づくりが自然で深いので、そこからまた人物の背景や過去を考えながら観て、そのぶんさらに泣いたりうれしくなったり感情をゆさぶられたり とてもします。


 

マリちゃん(高橋さん)
  • はじまりの場面で、不安そうにことばを紡いでいるのがかわいかったです。2回目に観たとき、この子がこのお話をはじめてくれたんだと思ってじーんとしました。
  • ずっと舞台の上にいて、お話の語り手としてみんなを見ているマリちゃんが、ぽつりぽつりつぶやくように言うことばがどれも印象的でした。
  • レイちゃんと糸電話で遊んだり、マコトと山岸ちゃんを見守ったりがとっても愛らしくて、台詞がないあいだの動きひとつひとつや、ハルちゃんを見ているときの表情にぐっときます。
  • 去っていくことしかできないというのがほんとうにさびしくて、でも親を恨んでいるわけじゃないのが、ふたごのまっさらな気持ちが伝わってきてつらかったです。
  • 高橋さんの笑顔がとてもかわいくて癒されました。ずっと舞台の上にいらしたので、細かな部分がとても大変だったのではと思います。レイちゃんを呼んで泣きじゃくるマリちゃんで、ただただ切なくなりました。


 

マリアさん(平田さん)
  • 優しい母親が実子を失うとどうなってしまうのかというのを、マリアさんの変化で生々しく感じました。
  • 名前がマリアというのもなにか意図が……と思ってしまいました。
  • ごめん、ごめんと繰り返すマコト(実際に声を出していたんだとしたら)を、意識の端でわかっていたんでしょうか。どうして『ごめん』なのか、お母さんはどう思ったんだろうかと考えました。
  • ハルちゃんと電話をしているマコトを、呆然としながら見ていたのがなんだか記憶に残っています。
  • 東京に行くメンバーにお母さんもいて、とってもうれしそうにキャリーを引いて笑顔なお母さんを見て涙腺崩壊しました。吹っ切れた姿が清々しくて、ほんとによかった……と思いました。
  • マコトの出生について話すマリアさんが、愛おしそうにミドリちゃんの名前を呼ぶのも涙腺にきました。
  • マー子ちゃんや山岸ちゃんと仲良く、よい関係を築いて生活していて、お母さんが笑顔を取り戻せてほんとうによかったと思いました。
  • 甘くて包容力のある柔らかいお声で、心が落ち着きました。平田さんの生のお芝居をこの作品で拝見することができてとてもうれしかったです。


 

山岸ちゃん(岩井さん)
  • とってもかわいくて、お話の清涼剤で、見ていて元気が出ました。
  • 女の子たちになぐさめられているときにマコトのほうを一瞬見て叫ぶみたいに泣いてるのがめちゃくちゃ好きです。
  • 山岸ちゃんは、高嶺の花なポジションなのに性格がすっきりしていて、気持ちのよい子だなあと思いました。
  • 大人になってマコトがハルちゃんと結婚したときも、気を遣っているような感じなのが好きでした。
  • マリアさんにとっては、山岸ちゃんやマー子ちゃんの存在は大きかったんじゃないかなと思います。明るくて元気のいい女の子が近くにいることで、とても活力をもらっていたんだろうなと思います。
  • マコトにとっても、どうしようもなくなりかけていた状態のときに再会して東京へ行くきっかけになって、そしてしばらく同居していたくらいに大きな存在だったんだと思いました。
  • 笑顔になったり怒ったり、表情がくるくる変わっていくのがかわいかったです。すらりとした手足も美しくて(ファンの方に伺ったのですがモデルさんもされているのですね)、きらきらとした明るさがこのお話には不可欠だったと思います。


 

レイちゃん(野田さん)
  • 「服、うん。服、うん。」「そっか、ごめん。そっか。」などの台詞の繰り返しのリズム感や、へんな笑い方がとてもかわいくておもしろくて好きです。
  • レイという名前も、いろいろ考えました。
  • マリちゃんと一緒になわとびをしたりごっこ遊びをしたり、たのしそうに過ごしていて癒されました。
  • 紅蒼兄妹を見て様子がおかしくなったところがつらかったです。逃げ出してごめんとマリちゃんを抱きしめるところも胸がいっぱいになりました。
  • ハルちゃんに「恨んどるわけでも憎んどるわけでもないでね、」とことばをかけるときの声が震えていて優しかったのが、とても印象に残っています。
  • レイちゃんもずっと舞台上にいて、登場人物たちを見てほほえんだりびっくりしたり、じっと見据えているときがあったり、野田さんの表情や姿勢でのお芝居の細かなところがすてきでした。


 

ユミさんほか(清水さん)
  • ミッツさんがアケミさんをひっぱたいた後、抱きしめ合って泣いてるのがめちゃめちゃ好きです。かなしいよな……はい…かなしいです……みたいなやりとりがツボでした。
  • 高校のときからマコトのことを知ってるアリワラや上杉君と、ユミさんでは、マコトを見る視点というか理解度がちがっていて、そのちがいによる言い合いの意思疎通の齟齬が好きです。うまくことばにできずうるせえばっかりのアリワラと、一般的におかしいよと伝えるユミさんと、冷静な上杉君のバランスがいいなと思いました。マコトは友人に恵まれてるなと何度も感じました。
  • ユミさんの台詞の言い方や動きからとにかく目と耳が離せませんでした。ミドリちゃんとも仲が良いと思っていたら話が合わんのよと言っていたり、マコトやアリワラにツッコミを入れるときの短い罵倒とか、海野さんにしゃーっとしたあとの戻ってくる動きとか、アホ3人をまとめてるところとか、いろいろぜんぶ大好きです。
  • ユミさんがいなかったら話が進まない部分も多くて、ユミさんが助けに行ってなかったらと思うとぞっとします。
  • マコトともしばらく親交が続いていたことになんだか安心感を覚えました。
  • 頼もしいユミさんのかっこよくておもしろいところを何度も見たくなります。


 

海野さんほか(齋藤さん)
  • 「また……あれするんで」のクールな子の名前がパピコちゃんというのをあとで知りました。かわいい……
  • 最初海野さんはミドリちゃんを好きなものだとばかり思ってみていました。マコトがどう行動するんだろうと思ってへんな汗をかいていたら、あとからストーカーということがわかってぞっとしました。
  • 「前から」と2回言っていて、ちょっと焦ってたりするのかなと、最初はミドリちゃんを(略)なので、ちょっとかわいいなとも思っていました。
  • 齋藤さんのブログを読んで、役作りについての部分でなるほど……と思いました。あのこわさは、たぶん現実にも身の回りにいる可能性があるからこわいんだろうなと思います。
  • 海野さんのあの言動から、マコト以外の人間にミドリちゃんが意図的に殺される展開もあるのか、と思ったのですが、最終的にはミドリちゃんは別の要因で亡くなることになり、海野さんはその後どうなったんだろうとも思いました。
  • ミドリちゃんと話しているときの動きやトーンが、とても自然に感じました。


 

上杉君(野口さん)
  • 「あーーー……読んだねぇ。」「うん1日で。うん。」の言い方がぽわっとしていて癒しでした。
  • アンニュイなマコトとにぎやかしのアリワラと、優しくて冷静な上杉君の3人組(と、のちに加わる頼れるユミさん)がとても好きです。
  • 上杉君が読んだ、ミドリ先生が好きな本のタイトルが気になります。
  • 車内で言い合いになっているアリワラとユミさんや、感情ががまんしきれなかったマコトの様子を見て、さり気なく声をかけているところが優しかったです。
  • アリワラが「このへん?」と訊ねても返事のないマコトに、そっとトントンとしているシーンで上杉君のやわらかさを感じました。
  • 集団行動ーー!!と慌ててるのもかわいかったです。
  • マコトと上杉君のふたりでの会話もみてみたかったなあと、ふたりだとどんな会話をするのかなと思いました。
  • 「次はいつ会えるんやろなぁ」という台詞が、このお話の中でものすごく涙腺がゆるんだ部分でした。上杉君のおだやかな声で言われたからこその台詞だなと思います。


 

マー子ちゃんほか(藍澤さん)
  • アゲハさんの味のある声がおもしろかったです。No.2のポジションだったんでしょうか。
  • 山岸ちゃんもですが、マー子ちゃんの積極的なところや明るいところ、思ったら即行動なところがマコトや周りの人を助けていた部分も多かったんだと思います。
  • マー子ちゃんが東京でどんな仕事をして、他にもどんな料理をしていたのかなと考えると元気になれます。
  • ハルちゃんが身ごもっていることにちゃんと気づいていて、様子がおかしいのにも気づいて声をかけるところが印象的というか、観察眼みたいなものが優れているところがいいなあと思いました。


 

ジロウさんほか(須田さん)
  • 見た目のインパクトもそうですが、淡く進んでいくお話のなかでの声量が良い意味でずるいなあと思いました。おもしろすぎました。
  • レストランの店員さんや野良猫もずるかったです。隣に座っていた男の人が思いっきり吹き出していて、それごと記憶に残ってます。
  • ああいうテンションの店長さんがいたらすごいだろうなと思いました。面倒だけどおもしろくて、バイトたちの性格もわかっている感じがよかったです。
  • ミドリ先生が亡くなったことを話しているときの野球部の掛け声が耳から離れません。


 

ミソギさんほか(Q本さん)
  • ヨウコさんとアゲハさんのやりとり好きです。ヨウコさんのキンとした声がおもしろかったです。
  • ミソギさんがとても、こういうお姉さんいるよなあと思うような雰囲気で、さまざまな登場人物がいる中とても安心感を覚えました。
  • 東京でのマコトの生活が落ち着いていっているようにもみえたとき、ミソギさんはじめバイト仲間の存在の距離感がちょうどいいんだろうなと思いました。
  • マコトがこわれていくときに様子を見にきていて、やっぱりマコトは周りに恵まれているなと改めて感じました。


 

アキホちゃんほか(石塚さん)
  • とてもかわいらしい声で、台詞がすっと入ってくるような魅力的なお声でした。
  • 受験を控えていていらいらしながら「しねよ!」と冗談で言っているのが、のちのちつらい台詞でした。
  • 姉を亡くしたあとマコトと話していて、「誰に文句言やいいんですか」と言っていたのと、最後に「さよなら」とかなしい声で言っていたのが泣けました。
  • MCの子も元気いっぱいでおもしろかったです。MCは出てくるタイミングや状況が状況なので、かなりシュールでした。それがまたマコトの虚無感と相まってよかったです。


 

蒼葉ちゃんほか(加茂井さん)
  • 「しねしがちでーー!」をはじめいろんな反応がかわいくて、にこにこしてしまいました。
  • アケミさんとミッツさんが好きです(2回目)
  • 蒼葉ちゃんと紅葉君の兄妹げんかの台詞がとてもリアルでした。「は?はあ!?」は何度聞いても笑ってしまいます。
  • マコトに「ばいばい」と小さく手を振っていたのがかわいらしかったです。
  • お母さんのミドリちゃんのことばを伝えるところ、「ほんとは、もっと前に、もっと長く、もっと、会いたかったって。マコちゃんに」も、このお話の涙腺崩壊ポイントのひとつでした。蒼葉ちゃんの声が優しいのも余計泣けました。


 

イチノセさんほか(市川さん)
  • ジジイが最高に好きです。野球好きの口が悪いじいさん……「おうサンキュ!!」が好きすぎて……。孫たちのことも好きだったんだろうなと思います。じいちゃんが亡くなったときほんとにかなしかったです。じいちゃんの死もマコトのきっかけのひとつになっているのが、なんとも言えませんでした。
  • イチノセさんの『ふつうの人』っぽさが、ミソギさんと同じく安心感がありました。シノヤマ君とのやりとりがリアルでちょっと笑いました。
  • マコトのもとを訪ねたとき「みんな心配してるし、店長も心配してるし」と言っていて、ああそういうふうに言っちゃいがちだよなあ……とそこもリアルだなあと思いました。
  • 結婚の束縛は楽、というのがなんだかものすごくなるほどと思いました。


 

紅葉君ほか(ホリさん)
  • ふたごだとしてもお兄ちゃんというものは大変なんだな……と、うつむき気味に妹を窘めたり叱ったりする姿にがんばれ、と思いました。
  • マコトと仲良くなって、サッカーして遊んでいるのがかわいかったです。蒼葉ちゃんも一緒にいるのがほっこりしました。
  • 引っ越すことを伝えるときのさっぱりした言い方が、マコトの心情と真逆な感じがしてそれがむしろよかったです。
  • 紅蒼兄妹に出会えてああして遊ぶことができたのが、マコトもうれしかったんじゃないかなと思いました。


 

岡本さんほか(岸田さん)
  • 個人的にこんな先輩いたらいいなあと思いました。相談に乗ってくれたりいろんな話をしてくれたりして、そして適度な距離感が心地良い感じでした。
  • 海野さんのことあたりもどれくらい気づいていたのかなと思いました。
  • はみがきしているときの立ち姿、スタイルが良くて見とれました。ランチのときとはみがきのときの話が、それぞれマコトとミドリちゃんのことにもつながっているような気がしました。
  • 泣いている山岸ちゃんに駆け寄っていた女の子も、とても好きです。


 

シノヤマ君ほか(中三川さん)
  • 見ていてあっちょっといたいたしいかなというぎりぎりの感じがおもしろくて、ここでも隣のお客さんが吹き出していました。
  • マコトの地元のバンドがださいとしれっと言ってしまえる感というか、自分はふつうじゃないということに誇りをもってる(?)ところににまにましてしまいました。
  • でもたぶん悪い人ではないんだろうなと、マコトとしゃべっているあたりで感じました。
  • だからマコトの家へ訪ねていかないあたりも、シノヤマ君なりのなんらかの考えなんだろうかなとも思いました。


 

川田さんほか(木村さん)
  • 川田さんも、同僚にいたらたのしそうだなあと思いました。
  • 「あちちちちだね、あちちちち」にだれもつっこまないのもおもしろかったです。ちょっと天然な感じがかわいいです。
  • ユミさんにアドバイスしているところ、優しさが自然でとても好きです。
  • MCの「ひのまるっ!」が、あの状況のあのタイミングで言われたことに思考がおいてかれる感を味わえたのもまたおもしろかったです。


 

イツキ君ほか(山脇さん)
  • 個人的にいちばん『ふつうにいそう』感がつよいのがイツキ君でした。
  • お酒を注文するときにマコトに何か食べます?って聞いてたのがとても日常っぽくてほっとしました。
  • 良い意味でお芝居っぽくないというか、ほんとに身近にいるふつうの人という感じがして、あの店長さんとある意味めんどくさそうなイチノセさんとシノヤマ君がいて、日々大変そうだな……とも思いました。
  • MCの人はただただいらっとして、一瞬同じ人とはわかりませんでした。役柄に合ったナチュラルなお芝居をなさる方なんだなあと思いました。


  

衣装
  • マコトのまっ黒なシャツ、あぶくのようなまるい形が背中側にしかないのがもの悲しかったです。
  • ミドリちゃんの胸のあたりにあぶくがたくさんあるのも、いろいろ考えてしまいました。
  • 登場人物の性質に合ったデザインがすてきでした。ハルちゃんのスカートとパンツが合わさった形や、山岸ちゃんのロングスカートがシースルーになってるのがとてもかわいかったです。


 

音楽
  • 風鈴の音が鳴る場所をもっと覚えておきたかったです。
  • ぽこぽこぶくぶくの音に癒されました。
  • 本当に必要なところにだけBGMが流れていて、それがとても優しい音で心地よかったです。
  • なので余計に、妹のミドリちゃんが亡くなったときの曲が耳から離れません。選曲の理由をものすごく知りたいです。
  • 終盤に流れるぼうっとゆらいでいるような曲が、おだやかなのに無性にかなしくて、大好きです。


ぐだぐだ長々と申し訳ございません。
つぎつぎに水泡がうかんで消えるような、それを止める術なく見続けている人のお話のような、ふしぎな感覚になる舞台でした。
その中で、それぞれの役者さんの持ち味がたっぷりたのしめる2時間10分でした。
ほの暗くてあたたかくてかなしいお話を、ありがとうございました。